ふくしま大運動会 in 南会津
- プロジェクト
- パワーアップ・ジャパンfrom Tokyo 平成27年度
- イベント名称
- パワーアップジャパン ふくしま大運動会 in 南会津
- 開催日
- 2015年11月1日(日)
秋晴れの空の下、桧沢小学校の校庭に76名の子ども達が集まりました。今回は、講師として朝原宣治氏、塚原直貴氏、荒川大輔氏の3名のアスリートが参加しました。南会津での開催は、2年ぶり3回目で、前回は4競技でしたが今回は陸上競技に特化したイベントとなりました。
午前中はスポーツクリニックで、世界の名だたる選手たちと戦ってきたアスリートから直接指導を受けました。午後にはチャレンジスポーツとしてリレー大会をおこない交流を深め、アスリートトークでは世界大会やオリンピックでの経験などを語っていただきました。
○開会式
紅葉で綺麗に彩られた山々に囲まれた会場に、小学校1年生から6年生まで約80名の子どもたちが集まりました。
開会式では、NPO法人ひのきスポーツクラブ会長の星文人氏によって開会宣言がおこなわれた後、東京都からオリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部事業推進課長の内藤典子氏と日本アスリート会議理事で本イベントの参加アスリートでもある朝原宣治氏が主催者挨拶をおこないました。内藤氏は5年目となる本イベントの趣旨を伝えた後、「超一流の技術を学んで欲しい」と述べました。朝原氏は「今日は走る楽しさを味わうため、積極的に参加して欲しい」と参加した子どもたちに呼びかけました。
最後には、南会津町長の大宅宗吉氏より「1日楽しい、有意義な時間を過ごしましょう」と話しがあり、イベントが始まりました。
○スポーツクリニック
世界で戦ってきた経験をもつトップアスリートから指導を受けることを目的としたスポーツクリニックが、午前中におこなわれました。スポーツクリニックでは、主にウォーミングアップと学年別の練習がおこなわれました。
ウォーミングアップの講師は荒川氏がメインで指導し、子ども達全員が参加しました。ウォーミングアップでは、腕を左右逆に回したり、テンポよく小刻みにジャンプしながら手をたたくなど、考えながら体を動かしました。なかなか難しい動きもあり、荒川氏からは「できないことを諦めないで、どうやったら上手くなるかを考えるようにしましょう。」という声が掛けられました。さらに、頭の位置や体のバランスが走るうえで重要なことが伝えられ、背骨を動かす運動や体のバランスをとる練習がおこなわれました。ジョギングをした後、両手足でカエルのような動きや馬のような動きといった独特な練習をしました。朝原氏自ら見本をおこない、馬の見本では、手で地面を叩く音と足で地面を蹴る音が本当の馬から聞こえるような「パカラッパカラッ」の音のように聞こえ、参加した子ども達のみならず、周囲の保護者やスタッフも驚きの声をあげました。
ウォーミングアップの後は、学年別の練習をおこないました。5.6年生を担当したのは朝原氏で、主に姿勢を維持しながら体を動かすトレーニングをしました。体の中心、体幹周りが最も走る時に重要であることが伝えられ、論理的でわかりやすい丁寧な朝原氏の指導に、5.6年生は熱心に耳を傾けていました。
3.4年生の担当は、塚原氏でした。バランス感覚と柔軟性を養うトレーニングや、走るための基本的な姿勢を身につける歩行やジャンプトレーニングをおこないました。いつもとは違うトレーニングで、子ども達も悪戦苦闘している様子でした。体を意識して動かすことで、楽しさを体感しつつ、技術の向上に役立つ実践的な内容となりました。
1.2年生は荒川氏が担当しました。ジョギングからはじまり、小刻みなジャンプで前方に進行する運動を様々なパターンでおこなっていました。手を叩きながら、足を閉じたり開いたりしながら進むことで、子ども達はより集中して、元気いっぱいに取り組んでいました。
○チャレンジスポーツ
アスリートたちとの直接対決をかけたリレー。寒空にも関わらず、子ども達の中には半袖になっている子がいるなど、気合い十分の様子でした。 今日はじめて会うメンバーでのリレーは、新たな交流も生んだことでしょう。 予選から大きな声援に包まれ、子ども達、応援する大人達の熱気が伝わってきました。 決勝はいよいよアスリートとの対決。 子ども達の懸命の走りも、やはりアスリートのプロフェッショナルな走りには敵いませんでした。 間近で見るアスリートの走力に、子ども達も思わず「かっこいい」と口にして感動していました。 リレー後はバトンパスの特別レクチャーがあり、オーバーハンドパスとアンダーハンドパスそれぞれの長所と短所を学びました。
○スポーツトーク
スポーツトークでは、3名のアスリートの競技生活が中心に語られました。 朝原氏と塚原氏のお互いの印象や日本代表でリレーチームを組んでいた当時の話、荒川氏の世界大会の挑み方など普段あまり聞くことができない内容でした。 フロアから「どうやってオリンピック選手になったのか」「どうしてそんなに足が速いのか」「幅跳びの練習方法は何か」などの質問にアスリートが丁寧に応答していました。 逆にアスリートからフロアの子ども達に質問というコーナーでは、自分の夢について話題が及びました。 塚原氏からは夢を持つ大切さ、それをみんなにも伝える大切さが語られ、朝原氏からは、今は明確な夢がなくても、現在取り組んいでること、熱中していることに対して全力を尽くしてほしいと伝えられました。荒川氏からは、夢に出会うために色々な人の話を聞き、興味を持つようにして、夢を見つけたら本気で取り組めば周りの人たちも応援してくれるようになるというメッセージが送られました。 先程まで元気いっぱいの小学生たちは一転、今度は静かにかつ真剣にアスリートの話に聞き入っていました。 最後の抽選会では、選手から参加者の子ども達にプレゼントが贈られ、終始にぎやかな雰囲気でふくしま大運動会は閉幕しました。
参加者コメント
小学6年 女子
選手の走りを生で見れて、とってもかっこいいと思った。今日教えてもらったことを続けて、自分も短距離の記録を伸ばしていきたい。
小学6年 女子
午前に習ったことはとっても勉強になった。 普段から陸上をしているので、今日習ったことを練習でも続けていきたい。 100メートル走をしているので今日教わったことを活かしてもっと記録を伸ばしたい。
小学6年 男子
今日は、オリンピック選手などすごい人たちに教えてもらっていい経験になった 自分は陸上ではなくてレスリングをやっているが、アスリートの練習への姿勢が勉強になった。今日はとても楽しかったし、刺激になった。
小学6年 男子
テレビでしか見たことのない人たちに会えて、陸上についても教えてもらってうれしかった。陸上の大会で教えてもらったことを大会で使って優勝したい。 今はまだわからないが、これから夢を見つけてこれから取り組みたい。
アスリートコメント
朝原宜治(北京オリンピック陸上4×100mリレー銅メダリスト)
子ども達はとても元気でにぎやかでしたが、聞くところは聞いて、一生懸命なところを感じました。僕たちも元気になりましたし、こういう形で子ども達に関わることができる機会が多くなって、スポーツを通して元気になったり、目標を持ったりする子が多くなれば、アスリートがこうやって活動する意味が出てくるのかなと思いました。これからも頑張っていきたいと思います。
塚原直貴(北京オリンピック陸上4×100mリレー銅メダリスト)
前回のいわきに引き続いて、パワーアップジャパン南会津に参加させていただき、同じ県内でも地域によって若干元気の違いが見受けられるのかなと思いましたが、それは決して良し悪しではなくて、地域の個性があるということを実感しました。またこうやって子ども達と接することによって、僕たちのメッセージが多くの人に伝わって、形となって子ども達が成長してくれると、日本の未来にとっても大きなきっかけとなるのかなという心境です。次につながるいい機会になったのかなと思いますし、子ども達の眼差しや気持ちが最後は1つにまとまっていたのかなと思います。是非、そういった気持ちを忘れずに頑張って欲しいと思います。
荒川大輔(07年・09年世界陸上走り幅跳び日本代表)
パワーアップジャパンということで、僕たちが皆さんに元気を与えるということで参加しましたが、逆に皆さんから元気をもらい、リオに向けてさらに頑張ろうという気持ちになることができました。今日はありがとうございました。