事業報告

2016武道フェスティバル石巻

プロジェクト
~パワーアップ・ジャパンfrom Tokyo 平成28年度~
イベント名称
2016武道フェスティバル石巻
開催日
2016年10月1日(土)、2日(日)

2016年度パワーアップジャパン from Tokyo 被災地復興支援の第4弾として、宮城県石巻市の石巻市総合体育館で「2016武道フェスティバル石巻」を2日間に渡り開催しました。1日目は、現地関係者を対象としたスポーツ評論家である玉木正之氏の「”あなたは、オリンピックとは何か?と聞かれて答えられますか?”-2020年東京五輪を前に、その本質・理念を考える-」というテーマの特別講演がありました。2日目は、田辺陽子氏と初瀬勇輔氏が柔道、木和田大起氏が剣道、篠原浩人氏が空手道の講師として参加し、総勢156名の子どもたちを対象に武道フェスティバルを開催しました。各講師からはこれまでの経験に基づいた細やかな指導がありました。また最初は笑顔を見せていた参加者も指導に熱が入ると共に、真剣な表情へと変わり有意義な練習に取り組んでいました。閉会式では「武道の街・石巻」を感じさせる一礼をもって閉会しました。今年度は武道のみならず、茶道・華道・書道の体験会も催され、より「武道の街・石巻」らしいイベントとなりました。


アスリートコメント

根木慎志(シドニーパラリンピック車椅子バスケットボール競技日本代表主将)

Q今日の感想をお聞かせください
A2016武道フェスティバル石巻開催を今回6回目を迎えることができました。開催にあたりご協力頂きました、石巻市体育協会・石巻市武道協議会の皆様に心から感謝いたします。前日に開催されました。特別講演玉木先生による「あなたは、オリンピックとは何か?と聞かれて答えられますか?」は私自身もとっても興味深く今後の活動に生かせられる内容でした。またクリニックに際しては、柔道 田辺さん・初瀬さん、剣道 木和田さん、空手道 篠原さんと世界で活躍されてきたトップアスリートを招いての指導に参加者の方々が真剣にまた憧れの眼差しで学んでいた姿が印象的でした。各協議会の皆様の演武を一度に拝見するという貴重な経験ができました。また、宮城県立石巻高等学校書道部・石巻市桜坂高等学校華道部・石巻市立桜坂高等学校茶道部の生徒の皆さんによる文化ブースも好評でした。
Q今後の被災地活動支援についてのお考えを教えてください
A日本アスリート会議では、パワーアップ ジャパン from Tokyoと題し、被災地復興支援を東京都と共催のもとトップアスリートの派遣等を行ってきました。また、活動を通じて出会った繋がりの輪を大切により有意義なものに皆さんと共に盛り上げていきたいと思います。今後この活動をより多くの方々に知って頂く方法も検討していきたいと思います。
Q参加した子ども及び被災した方々にメッセージをお願いします
A被災後まもなく宣言された「武道の街石巻」関係者・参加者の武道を愛するこの情熱で開催されている「武道フェスティバル石巻」が永遠に続き誰もが素敵に輝ける社会に向けて我々アスリートも皆さんと共に活動いたします。皆さんよろしくお願いします。またお会い出来る日を楽しみにしています。

田辺陽子(1992年バルセロナ・1996年アトランタオリンピック柔道72㎏級銀メダリスト)

Q今日の感想をお聞かせください
A私は2回目の参加なんですけども、非常に子供たちは以前に比べたら元気になったという印象を受けてますね。やっぱり一年一年の積み重ね、いろんな復興活動とかありますけど、ほんとに元気になったなという印象を受けてました。
Q今後の被災地活動支援についてのお考えを教えてください
Aやっぱり、非常にこのようなタイミングで大きな震災を受けるというのは、子供たちにとってみたらすごく気持ちの上では大きな出来事だったと思うんですよね。それをいろんな人の支えとかもちろん家族とか自分自身の努力とかあったと思うんですけれども、それに向けて、うまくコミュニケーションをできるだけ多くの方ととって、それをまた力にして復興に対してのパワーであったり力をつくっていってほしいと思います。
Q参加した子ども及び被災した方々にメッセージをお願いします
Aまずは、最初はやっぱり気持ちを前にしてみんなで進んでいこうということもすぐにはできなかったと思うんですよね。だけど、一年一年時が経って、いろんな人の大きな支えとかがあって少しずつですけれども前に進んでほしいなと思っています。それが最終的に子供たち、次世代を担う子供たちにも伝わっていけばいいのかなと思っています。ですので、まずは身近にできるところからスタートして、それから多くの人の力をかりながら、前に進む力をつくっていけたらと思います。

初瀬勇輔(北京パラリンピック出場・2010年全日本視覚障がい者柔道大会優勝)

Q今日の感想をお聞かせください
A僕は初めての参加でしたけどすごいいい企画だなと思いました。あとほんとに石巻が「武道の街」なんだなと実感したというか、これだけ子どもたちが集まるっていうのはすごいなと、剣道も空手も素晴らしい先生が来ていただいて子供たちもうれしいんじゃないかなと思います。なんかシャイな感じがしますね。子供たち全員がシャイな感じがしたというか。あんまりこうがつがつ来ないというか関西とかだとめちゃくちゃ来るんですけど、そういうのは感じました。すごくよかったと思います。一時間半があっという間でした。
Q今後の被災地活動支援についてのお考えを教えてください
A僕は東京に住んでいるんですけど意外と近いんですよね。なので機会があればぜひ石巻に限らず、いろんなところに行きたいなと思います。やっぱりスポーツとか武道は人をつなげたり、元気になってもらう力があるので、そういうところを通して僕のできる範囲で全力でやりたいなと思っています。
Q参加した子ども及び被災した方々にメッセージをお願いします
Aあっという間の5年間だったと思いますけど、まだまだこれから復興に向けて動き出していくと思います。なので、本当に僕らもできる限りのことをしていきたいと思うので、一緒にスポーツとか武道を通して盛り上げていきたいなと思います。

木和田大起(2009・2012年世界剣道選手権大会、2012年全日本剣道選手権大会優勝)

Q今日の感想をお聞かせください
A僕ももう3回目で何度も来させてもらって、石巻だけじゃなくて、多賀城とか、岩手の方とか行かせてもらって東北の子どもってスロースターターだっていう印象があり、初めは恥ずかしくて自分を前に出せない、でも終盤になってくると笑顔も出てきたり、持ってるものをなかなか上手く表現できないっていうのもあるから、そこを九州とか、関東、関西の子とかすごい積極的に来るから、それが強い所以なのかなって思うし、それを東北の子どもたちも真似てみてじゃないけど、もっと初めから積極的に行くとその分ロスがすくないかなと感じました。真面目、でもすごいね本当真面目に取り組んでくれてるなっていうのは毎回印象があります。
Q今後の被災地活動支援についてのお考えを教えてください
A被災地について僕は震災があって機動隊としても、こっちに来て復興支援をさせてもらって、そのあともボランティアで剣道を指導しに、アスリートネットワーク以外にも自分はプライベートのボランティアできたり、そういう思いが元々あったので、今来させてもらってるからとかではなくて元々、被災地に対して何かしたいという気持ちがあったので、それを継続しているだけのこと。これからも勿論継続していきたいなって思っていますし、東北だけでなく熊本とかその被災に遭われたとこをいろいろやりたいなという気持ちはあります。
Q参加した子ども及び被災した方々にメッセージをお願いします
Aもうどんどん戻ってきて正常には機能していると思いますし、皆さんも辛かったこと、それはもう今でこそ笑い話みたいにお話しされていますが、それを乗り越えられたなという感じはあるので、これからもっともっと、特に石巻は武道の街ということで、武道の力で本当に日本一の武道の街を目指して頑張ってほしいなという気持ちです。

篠原浩人(2014年仁川アジア競技大会個人組手・2016年全日本ナショナルチーム男子組手-67㎏級)

Q今日の感想をお聞かせください
A自分自身普段から仕事以外に地方を回って子どもたちに空手を指導することを個人で行っています。たまたま石巻市体育協会 の近藤先生に石巻に来てほしいと誘われたのが今回参加するきっかけとなった。普段は空手だけのクリニックしか行っていないが1つの体育館で剣道、柔道などの演武を見ることができて、空手だけではない武道が集まって楽しくできたと思います。
Q今後の被災地活動支援についてのお考えを教えてください
A去年も同じく空手のクリニックを行いました。石巻市の子どもたちに空手を教えることしかできていない。今回はこのような機会をつくってもらい、また来年も呼んで頂けたらと考えています。

参加者コメント

中学2年 男子
今回は、自分たちのこれからの部活動に、いろいろ学ばせてもらうために、参加させて頂きました。すごい一流の選手でも、基礎を大切にして自分たちに基礎からいろんなことを教えて頂いたのでこれからの練習に生かしていきたいです。基礎を大切にもっともっとチーム全体として力を伸ばしていけるように頑張りたいです。震災後とかはあんまり練習場がなかったりして出来なかった子とかいたけど、だんだんと復興してきて、皆自分の武道の稽古をできるようになってきたので、これからもどんどんやっていきたいです。

中学1年 男子
木和田選手と聞いて僕はびっくりしてもっと強くなりたいと思ったので参加しました。参加して木和田選手にもっと近づきたいと思いました。

中学1年 男子
以前に木和田先生の剣道を見て学びたいと思ったからです。木和田先生の足の捌き方や竹刀の振り方が速くて感動しました。今日習ったことを自信を持って生かしていきたいと思います。

小学3年 男子
有名な篠原先生が来ることを聞いて自分がうまくなれると思って参加した。きつい練習もあったけど、楽しくできたので良かった。

小学4年 男子
篠原選手やほかの世界で活躍している選手が指導してくれると聞いて、指導してもらおうと思ったので参加しました。今日の稽古はきつく、特に最初のサーキットがきついと感じた。今日のことを忘れずに今後の練習でも生かしていきたい。地震とかがあり、怖がる時もあったため、メンタルの強化に力を入れるようになった。