事業報告

復興相双サッカーフェス 2017

プロジェクト
パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
復興相双サッカーフェス 2017
開催日
2017年12月10日(日)

2017年度パワーアップジャパン from Tokyo 被災地復興支援の第6弾として、福島県相双地区にて「復興相双サッカーフェス2017」を開催しました。本イベントには、県内サッカークラブのいわきFCから6名の選手・コーチを講師として迎え、サッカークリニックを開催しました。クリニックに先立って、2018年夏に完成予定であるJヴィレッジの見学が行われました。完成間近の国内最大級のサッカー施設を、参加者たちは真剣なまなざしで見つめていました。クリニックでは、参加者の多くが、いわきFC選手・コーチの高い技術に驚きつつも時間が経つごとに負けじと必死に食らいつく姿勢がみられました。講師陣も参加者さながらに全力でサッカーに取り組む姿を見せ、サッカーフェスの呼称にふさわしく全員がサッカーと真剣に向き合うイベントとなりました。

○Jヴィレッジ施設見学

・Jヴィレッジについて

2018年夏に完成予定のJヴィレッジは、1997年7月に日本初のサッカーナショナルトレーニングセンターとして開設されましたが、2011年3月以降は、東日本大震災の影響で営業を休止していました。今回の再オープンでは、従来施設のリニューアルに加えて、隣接ホテル棟や日本初となる全天候型サッカー場が新設されます。「Jヴィレッジ復興プロジェクト」として、トレーニング施設としての役割のみならず、復興のシンボルとしての役割にも期待が高まっています。

・見学の様子

建設途中の予定地を見て回った後、施設スタッフの案内のもと、管理棟を見学しました。管理棟のロビーに展示されている歴代日本代表選手のサインや「蹴球神社」に参加者は興奮している様子でした。ロビーでは、Jヴィレッジ復興への歩みを記録した映像を視聴しました。参加者は、自分たちのこれまでの歩みと重ね合わせながら映像に見入っていました。施設内見学では、貼り出された再オープンの告知ポスターを見て、自分たちが将来プレーする姿に思いを馳せているようでした。屋上からは、天然芝ピッチ7面、人工芝ピッチ2面や、新設される全天候型サッカー場、ホテル棟などを一望し、最後にドローンを使用してJヴィレッジを背景に集合写真の撮影が行われ、参加者から歓声が上がっていました。

○サッカークリニック

クリニックは終始なごやかな雰囲気で行われました。講師の佐藤氏を中心に、まずはボールを使わず前転・後転・側転などでウォーミングアップを行いました。ハンドスプリングなどの高度な技では、失敗を恐れて消極的になる参加者に対して、大野氏が中心となって声をかけ、積極的にトライする姿勢を促しました。金氏が手本を見せて歓声があがるなど、参加者たちは楽しみながら身体を温めました。続いて、2種類のボール回しの練習が行われました。1つ目は、大人数で円形に手をつなぎ、円内のディフェンスにボールを奪われないようにパスを回す練習、2つ目は、大きめの正方形のグリット内でオフェンス5人、ディフェンス2人の状態でボールポゼッションをする練習でした。ボールポゼッションの練習では、パスを出した選手自身が必ずディフェンス間を通過するというルールがあり、多くの参加者が苦戦する様子を受けて、佐藤氏から「周りをよく見てプレーしよう!」と指導がありました。参加者たちは、一緒にプレーする講師陣の動きからも学びながら、どこにパスを出すべきか、どこでパスを受けるべきかを考えながらプレーする様子が見受けられました。最後には、エキシビジョンマッチとして講師6名対参加者代表14名の試合が行われ、数的有利を活かした参加者チームが猛攻を仕掛けましたが、講師陣が意地を見せて2対1で勝利し、大盛り上がりでイベントは幕を閉じました。


アスリートコメント

佐藤令治(いわきFCコーチ)

Q本日の感想を教えてください
Aコーチという形でイベントに参加させていただきましたが、参加者の皆さんの協力のおかげもあって、良い雰囲気で実施できました。運営していただいた福島大学の学生さん、東京都、日本アスリート会議の方々のおかげで素晴らしいイベントになったと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A震災当時、私自身このグラウンドで練習していましたが、震災の影響で静岡に活動拠点を移すことになりました。それ以来、こちらに戻ってきたいという思いをずっと持っていて、現在いわきで活動しているので、いわきからにはなりますが、この相双地区を盛り上げていきたいと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aイベントに参加した中学生には、恥ずかしがらずにサッカーやイベントをもっと思い切り楽しんでほしいと感じました。そうすることで、自ずとこの先の人生を切り拓いていけると思います。被災地の方々には、私が直接的な援助ができるわけじゃないですし、そういった力もないので、おこがましいかもしれませんが、いわきでの私たちの活動で皆さんを少しでも笑顔にできたらいいなと思っています。

大野将弥(いわきFC:GK)

Q本日の感想を教えてください
Aみんな元気でサッカーが大好きなんだなというのが率直な感想で、僕たちもサッカーが好きなので、そういう部分でつながっていて、すごい楽しい練習ができたと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A出身が京都なので、これまでの関わりと言ったら少ないんですけど、これからの関わり方としては、こういうサッカークリニックだったり、地域の高齢者施設に出向いたり、奉仕活動など、そういった活動で地域を盛り上げていけたらと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aこれから僕たちがいわき市を代表するチームになっていくと思いますし、サッカーを通じていわきを東北一の地にするというビジョンがありますので、みなさんも自分たちと一緒に闘ってもらって、ワクワクしてもらって、地域全体で楽しくやっていけたらなと思います。

平岡将豪(いわきFC:FW)

Q本日の感想を教えてください
Aこのような機会がなかなか無いので、今日は良かったと思います。また、自分自身が中学の頃に使っていたグラウンドに、教える立場として帰ってこれて良かったです。自分のようなアカデミー出身の選手がもっと浜通りでの活動を増やしていければ、より良い地域貢献が出来るかなと思います。また、いわきFCで頑張っている姿を見せられれば良いかなと感じています。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A自分たちも積極的にサッカー教室などを開催してサッカーのレベルを上げていきたい。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A僕たちはいわき市でサッカーチームとして活動していますが、これからも「いわき市を東北一の都市にする」というビジョンに向け、いわき・福島県・東北が元気になるよう活動を続けていきたいと思います。地域の皆さまと共に歩んでいきたいと思います。これからもご声援、よろしくお願いいたします。

金大生(いわきFC:MF)

Q本日の感想を教えてください
A子供たちと久しぶりに楽しくサッカーができて良かったです。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A自分は今まで関東のほうで生活していて、初めていわきという福島の土地に来ました。被災していろいろつらいこともあったと思うんですけど、僕たちいわきFCが選手として頑張って、被災した方々を明るく元気にできるようなことを届けたいと思います。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A僕たちいわきFCは足りない部分もあるんですけど、一生懸命頑張るので、みんなでいわき市を盛り上げていきましょう。

高橋大河(いわきFC:DF)

Q本日の感想を教えてください
A普段中学生と一緒にサッカーをしたり、触れ合う時間がないので、今日は自分自身も楽しくて、貴重な経験になりました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A郡山の高校に通っていたこともあって、福島に対して思い入れがあるので、地域活動から積極的にやっていきたいと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A僕自身、サッカーをしている以上は上を目指してやっているので、もっと応援されるような選手になりたいと思っています。これからも宜しくお願いします。

吉田知樹(いわきFC:FW)

Q本日の感想を教えてください
AいわきFCはこういうイベントが少なかったので、子どもたちと触れ合えて良かったと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A自分はいわき出身なんですけど、復興しきれていないと感じるので、自分たちがサッカーでいわきを盛り上げていけたら少しでも復興に近づけるのかなと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A僕たちもサッカーで復興していけるようにするので、一緒に頑張っていきましょう。

参加者コメント

中学3年 男子
いわきFCの選手の技術を間近で見ることができて、とても勉強になりました。技術面を含めた今日学んだことを、これからの練習に取り入れていきたいです。また、今回元気にプレーできていなかったと感じるので、これからの練習では元気を出して楽しんでプレーしたいです。

中学1年 男子
いわきFCの選手と一緒にサッカーができてうれしかったです。今日学んだことを生かして、リーグ戦や大きな大会でチームが勝ち進めるように貢献していきたいです。

中学2年 男子
いわきFCは強いなと思いました。自分はキャプテンなので、教わった声の出し方を今後に生かしていきたいなと思いました。

中学2年 男子
いわきFCの選手からたくさん色々なことを学べてとても楽しかったです。いわきFCの選手のように足技などを身につけて将来役立てるように頑張りたいです。

中学1年 男子
いわきFCの選手の皆さんとプレーする貴重な体験ができて良かったと思うし、楽しかったです。もっとサッカーを楽しんで、みんなと絆を深めていきたいです。

中学2年 男子
いわきFCの選手は技術が高く、上手いなと思いました。今回教わったことを生かし、テクニックを真似たりして上手くなりたいです。

中学2年 男子
技術の高い人たちと一緒にサッカーができて、すごく楽しかったです。色々な面で学ぶことができて、チームメイトとも関係が深まったと思うので、良かったです。みんなレベルの高いプレーを経験したと思うので、そのプレーを見て上手かったところを取り入れて、チームが強くなるように頑張りたいと思います。

中学2年 男子
いわきFCは技術が高く、頭の回転が速かったので、真似たいと思いました。今後は、学んだ声の出し方や頭の切り替えを試合に生かしていきたいと思います。

中学1年 男子
いわきFCの選手と色々なふれあいができました。あまりこういった機会がないので、経験できてよかったです。初めて会った人ともサッカーをしたので、今回をきっかけにして、まだ知らない人ともサッカーができたらと思います。