事業報告

POWER up JAPAN from Tokyo2021 座談会

本年度当初計画の4事業の内、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、10月開催予定の2事業を一度延期とし、日程を2月に変更して実施に向け準備を進めてまいりましたが、その後も新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、その事業も開催が困難となり中止の決断を余儀なくされました。
2011年度より継続して進めてまいりました被災地支援事業(アスリート派遣)も本年をもちまして終了いたします。そこで、本事業に深く携わりご協力頂きました方々を代表して実行委員長並びに副委員長にこれまでの事業を振り返り、将来へのメッセージを語り合って頂く場面を設定する運びとなりました。また、本事業で直接ご指導頂きましたトップアスリートの方々から当時の想いや今、伝えたいことを未来に向かって生きる子どもたちにメッセージを発信していきます。

登壇者(敬称略)

PUJ実行委員長 :間野 義之(日本アスリート会議副理事長/早稲田大学スポーツ科学学術院教授)
PUJ実行副委員長 :浅沼 道成(岩手大学 人文社会科学部 教授)
PUJ実行副委員長 :近藤 裕紀(NPO法人石巻市スポーツ協会 事務局長)
PUJ実行委員 :羽根田 一弘(福島県体育協会うつくしま広域スポーツセンター プロジェクトマネジャー)
PUJ顧問 :柳本 晶一(日本アスリート会議理事長兼事務局長/元バレーボール全日本女子チーム監督)
アスリート :根木 慎志(シドニーパラリンピック車いすバスケットボール男子日本代表キャプテン)
アスリート :山本 篤 (北京・リオパラリンピック走り幅跳び銀メダリスト)※リモート出演
アスリート :木和田 大起(2009・2012世界剣道選手権団体優勝)※リモート出演

コーディネーター

間野 義之(日本アスリート会議副理事長/早稲田大学スポーツ科学学術院教授)

主催者の開会挨拶

篠 祐次(東京都オリンピック・パラリンピック準備局 国際大会準備担当部長)

アスリートから被災地の子供たちへのメッセージ

柳本晶一:バレーボール

(アテネ・北京オリンピック バレーボール全日本女子チーム監督)


ありがとうという想いでいっぱいです。子供たちと関わる機会を得た事で、勇気や感動など学ばせて頂きました。本事業に参加してくれた子供たちは壮絶な傷跡を持っていて、そのメッセージには迫力を感じています。
本事業を通じて、「谷から山に帰る事ができるか」という苦しい時でも這い上がる体験を皆さんとできた。また、一見すると悪い事をポジティブに捉える「解釈力」を、本事業を通して持って頂ければ、私たちの11年間が無駄ではなかったと言える。今後の人生、人と比べるのではなく、力強く歩いていただければと思います。

根木慎志:車いすバスケットボール

(シドニーパラリンピック車いすバスケットボール男子日本代表キャプテン)


本事業を通して、皆さんと関わることが出来て幸せでした。この機会を通じて、人との繋がりがどんどん広がっている事を実感しています。スポーツの価値を信じて、皆さんが輝く未来を作る為に、「愛」を皆さんに届けていきたいと思います。

山本篤:陸上(走り幅跳び・短距離)、スノーボード

(北京・リオパラリンピック走り幅跳び銀メダリスト/平昌パラリンピックスノーボード日本代表)


本事業を通して、僕自身もみんなと体を動かすことが出来て楽しかったですし、元気をもらいました。スポーツは、「足を切断した」という事実を自分自身の中で解決させてくれたものでした。スポーツをする事で、自信がつき、生きる道が見えてきます。また、スポーツをする中で、楽しみつつも、時には緊張して新たなチャレンジに取り組んで下さい。

木和田大起:剣道

(2009、2012世界剣道選手権団体優勝)


震災当時まだ小さな子供だった皆さんは、難しい状況でもなんとかスポーツを続けてきました。現在コロナ禍で再び大変な時期にいて、私たちには計り知れないような悲しい状況だと思います。しかし、皆さんには自分の決めた道を信じて進んでもらいつつ、地元に恩返しをして頂きたいです。皆さんの成長した姿とお会いできることを楽しみに待っています。