設立関連行事を実施
6月13日、東京都内のホテルにて日本アスリート会議の設立関連行事を開催しました。 設立発表記者会見でのコメントは以下のとおりです。
その他、今回の設立関連行事に参加することができなかたった、王 貞治顧問、井村雅代議員、平尾誠二議員からのコメントをご紹介します。
日本アスリート会議 顧問 王貞治
(財団法人世界少年野球推進財団理事長、元ワールドベースボールクラシック日本代表監督)
子どもの頃、野球をするところには必ず世話をしてくれるおじさんやおばさんがいました。プロ野球選手となり、引退後は指導者としても野球に関わってこれたのは、その人たちのお蔭であるとの思いから、野球を通して、野球の裾野拡大と青少年の健全育成に取り組んできました。多くの競技者の皆さんも、何らかの形で恩返しをしたいとの思いから様々な社会貢献活動に取り組んでいます。
この度、一人ひとりの力は小さくても、その活動を取りまとめ、より大きな力にして社会貢献活動をする推進母体を作ろうとのお話しをいただき、発起人の一人に名前を連ねさせていただきました。
出来るだけ多くのアスリートが参加し、多くの人たちに夢と希望と勇気を与え続けることが出来るよう、アドバイザー的な役割を果たしていきたいと考えております。
日本アスリート会議 議員 井村雅代
(一般社団法人井村シンクロクラブ理事長、元シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチ)
子どもたちの笑顔が大好きです。
子どもたちが夢に向かって一生懸命にがんばり、それを応援するのは私たちの責任です。東日本の子どもたちは、今、スポーツを心から楽しむことができない状況にあります。心から楽しむよりも以前に、スポーツをする場所もない地域や、あるいは外にも出られないような地域もあります。しかし、今後、復興が進んでいけば、スポーツをする機会も増えてくるでしょう。そのときに、アスリートたちが果たせる役割は大きなものがあると信じています。阪神淡路大震災を経験した身としては、震災直後にはスポーツは無力かも知れませんが、これからの復興に際してはスポーツそしてアスリートは大きな力になれるはずです。日本のアスリートは当然ながら、世界のアスリートも力になりたいと思っているはずです。私も外国で生活をしていますが、毎日、日本の子どもたちのことを心配しています。
競技種目を超えて、また国境を越えて、たくさんの子どもたちの笑顔をつくることができるように、「日本アスリート会議」の設立に賛同しました。北京の地から、会議の推進に力を尽くしてまいりたいと思います。
日本アスリート会議 議員 平尾誠二
(NPO法人SCIX理事長、元ラグビー日本代表チーム監督)
本日は、「日本アスリート会議」の発足の場に立ち会うことができず、残念です。
この「日本アスリート会議」の意義は、"アスリートファースト"をキーワードに、アスリートや各種競技団体、スポーツNPOなどが、これからの日本のスポーツ界が進むべき道を、大きなビジョンとして次代に提示するため、ゆるやかに連携しながら共に行動して行くことにあると考えています。
いままでのように結束を要求するものではなく、それぞれの個人、団体の「個性」を大事にしながら、スポーツの価値を活用した青少年の育成や公共の福祉の充実に向かって協力し合う、そんな自由でのびやかな議論や取り組みを目指し、本日、設立致しました。
東日本大震災を機に、スポーツを通して皆で支え合いながら、大きな試練を乗り越えて行くという機運も高まっています。そういう意味で新たな価値観の創造も、「日本アスリート会議」を通して果たして行ければと考えています。
「日本アスリート会議」設立発表記者会見に引き続き、東京都内のホテルにて設立報告会を開催いたしました。
報告会では、鈴木寛様(文部科学省副大臣)や大竹美喜様(アフラック最高顧問)など約200名の御来賓の方々にお越しいただき、「日本アスリート会議」設立にあたりお祝の言葉をいただきました。
日本アスリート会議 代表理事 間野義之
(早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授)
10年ほど前から、アスリートの皆さんは自発的にNPOを組織し、子どもたちに夢を与える活動をできる範囲で行ってきました。私はスポーツ政策の研究者として、そしてNPOを通じた社会活動を経験した立場から、NPOの方々がもっと連携できたらいいなと感じておりました。
一方で、2010年8月、文部科学省が日本のスポーツ政策の基本的方向性を示す「スポーツ立国戦略」を出されました。その目玉として打ち出されたのが、アスリートが地域で子どもたちを教えて、その子どもたちがアスリートになって帰ってくるという「好循環社会」です。
「日本アスリート会議」が、将来の日本のスポーツ界のために、NPOそれぞれが連携していく仕組みを作り、「好循環社会」を築き上げて行くことができればと考えています。また地域の総合型スポーツクラブと自治体、そしてNPOやアスリート自身の中間支援団体として活動していきます。こういった組織は日本では初めてであり、諸外国の例を参考にしつつ、発展の方向も考えていきたいと思います。
日本アスリート会議 議員 柳本晶一
(アスリートネットワーク理事長/元全日本女子バレーボールチーム監督)
私は一昨年から、競技間の垣根を越えてトップアスリートが成長した過程で得た経験や感動を子どもたちに生で伝えたり、セカンドキャリアを支援したりするアスリートネットワークを立ち上げて活動して参りました。この度の東日本大震災後の復旧、復興の目的もあり、アスリートネットワークとして協力するために「日本アスリート会議」に参加いたしました。
また、今年は日本体育協会設立100年の節目の年です。次の100年、そして時代背景を見据えた上で、10年、20年といった長いスパンで大きな展開をしていくべきではないかと考えております。
そう言った意味では1つの組織だけでは成り立ちません。数々の組織団体が日本にはありますが、点と点を結んで線にしたい。個性ある個々の集団がお互いに補完しながら、そこで新しい風やムーブメントを起こし、スポーツで明るい社会を作って行くための活動を「日本アスリート会議」でしていきたいと思っています。
本日行われた第1回の会議で、「日本アスリート会議」がアスリートにとって駆け込み寺のような組織になるのではなく、アスリートが最終的には自立できるような事業を展開していかないといけないなどを話し合いました。今後、アスリートの目線で、大きなうねりを起こせるように頑張っていきたいと思います。
日本アスリート会議 議員 倉石平
(NPO法人 MIPスポーツ・プロジェクト理事長/元男子バスケットボール日本代表チーム監督)
私は10年前から、NPO法人MIPスポーツ・プロジェクトの理事長として活動してきました。子どもたちに夢や希望を与えようと、トップアスリートが世界やオリンピックにおいて肌で感じたもの伝えてもらってきました。全国行脚していろいろと思いを伝えていったのですが、体験学習にとどまってしまい、なかなか前には進んでいかないのが現状でした。そこで「日本アスリート会議」に参画することで、子どもたちに接する機会を増やし、もっと大きな力で思いを伝えることができるのではないかと賛同した次第です。
また、スポーツの指導や指導者育成の環境整備などについても、「日本アスリート会議」には多くのNPO法人が集まっているので国、地方、地域と一緒になって指導者を育成して、日本スポーツ界に好循環を生むようにしていきたいと思います。
こうした活動を通して育ったプレーヤーたちがオリンピックで金メダルが獲得できればと思います。微力ながら私の目の黒いうちはどうにか頑張っていきたいと思います。みなさんご声援をよろしくお願いいたします。
日本アスリート会議 議員 岡田武史
(一般社団法人OIJ理事長/元サッカー日本代表チーム監督)
本日の報告会に多くの方に参加していただき、改めて「日本アスリート会議」の規模の大きさに驚いています。「日本アスアリート会議」の話は、東日本大震災後の復興や復旧に対してアスリートやスポーツ界の力を1つにしたいということから始まりました。アスリートや指導者はそれぞれNPO法人や社団法人を通していろいろな活動をしています。それらを1つにしていったらもっと大きな力になることができるという話を聞いて、大変素晴らしいことだと思い、私も協力させていただきました。
為末大
(一般社団法人 アスリートソサエティ代表理事/世界選手権400mハードル 銅メダリスト)
半年ほど前、今回のお話をうかがったときにすぐに賛同し、現役アスリートながら「日本アスリート会議」に参加させていただきました。
日本のスポーツ界にはいくつか問題があると思いますが、その大きな問題点の1つは縦割りだと思います。現役アスリートとして感じていたところですが、各競技団体、選手間などの交流がまだまだ足りません。ですが、この1~2年で選手間、そして選手とメディアの間で少しずつ交流が生まれてきたように思います。そしてその結果、選手の中に社会の中で自分をどう位置づけるかという意識が芽生え、それが東日本大震災後に選手たちが「被災地をどう支えるか」と考えた背景になったと思います。
アスリートは競技場がないとプレーできませんし、指導者も必要です。いろいろなコストがかかって、アスリートの体は成り立っています。日本はそのアスリートを社会に還元するシステムが弱いと思っています。「日本アスリート会議」がアスリートの現役時代だけでなく、現役引退後の夢や感動、思いなどを伝えていくのを支えるような組織になるのを祈っています。そして、多くのアスリートが賛同し、日本のスポーツが大きな力になって、復興の力になることを願っています。
朝原宣治
(アスリートネットワーク副理事長/北京オリンピック4×100mリレー銅メダリスト)
私たちアスリートは自分たちだけで強くなっていったわけではありません。指導者をはじめ、いろいろな人に支えられてアスリートとして人間として成長できました。アスリートとしての経験を社会に還元するために何かできないかと思い、子どもたちに対して活動するアスリートネットワークの副理事長となりました。
この「日本アスリート会議」ができたことによって、全国のNPO法人を自主的に立ち上げている選手や指導者がもっと情報交換し、効率よく社会に発信し、活動できるのではないかと期待しています。私自身も「日本アスリート会議」を通して、今やっている活動をもっと幅広いものにしてきたいと思います。
岡本依子
(アスリートネットワーク理事/シドニーオリンピック テコンドー銅メダリスト)
私は現役を引退した後、アスリートネットワークを通じて子どもたちに対して支援活動等をしております。
スポーツにはさまざまな問題点があると思いますが、その問題点を1つ1つ解決していくのではなく、新しいシステムや仕組みを作ることが大事ではないかと思っています。アスリートネットワークだけでなく、日本にはたくさんのすばらしい団体があるので、「日本アスリート会議」を通じて横で連携していけば、全国レベルの素晴らしいシステムができ、日本のスポーツ界が変わっていくのではないかと期待しています。
大西一平
(NPO法人MIPスポーツ・プロジェクト理事/プロフェッショナルラグビーコーチ)
スポーツは社会や経済に影響を受けるものだと思っています。社会や経済の状況によって、スポーツは負荷や抵抗を受ける場合があります。そういうときに、1人で立ち向かうよりも連携してアスリート同士で力を合わせれば、前に動き出すのではないかと期待しています。
また「日本アスリート会議」の活動によって、個々のNPO法人の活動が認知、認識されたり、NPO法人同士が連携することにより新たなモチベーションが生まれたりして、新しい動きが生まれることになればいいなと思っています。僕自身も目の前のことから頑張っていきたいと思っています。