事業報告

2015武道フェスティバル石巻

プロジェクト
パワーアップ・ジャパンfrom Tokyo 平成27年度
イベント名称
2015武道フェスティバル石巻
開催日
2015年10月3日(土)、4日(日)

宮城県石巻市総合体育館にて、「2015武道フェスティバル石巻」が開催されました。爽やかな秋空のもと、会場には柔道、剣道、空手などの武道に励む子どもたち、100名以上が集まりました。スポーツ評論家の玉木正之氏をはじめとしたゲストの方々から挨拶のお言葉をいただき、本会は開会しました。
今回のクリニックでは、アトランタオリンピック柔道女子で金メダルを獲得した恵本裕子氏、世界剣道選手権・団体で2度の優勝を果たした木和田大起氏、1982年世界空手道選手権・組手個人で優勝した山田ゆかり氏の三名を講師に迎え、子どもたちを指導していただきました。クリニック終了後には柔道、剣道、空手に加え弓道、躰道など計8種目による演武会が開かれました。代表者による華やかで素晴らしい演武に会場は大いに盛り上がりを見せました。
「"スポーツと武道"~その同じところと違うところ~」と題し、スポーツ評論家の玉木正之さんによる特別講演が行われました。2020年東京オリンピックの追加種目候補に空手がエントリーされたこと、1964年東京オリンピックで柔道が初めてオリンピックの種目になったことなどをもとに、武道とスポーツの違いや、日本の武道精神についてお話いただきました。「日本で生まれた空手が国際的なスポーツになるとき、改めて日本の文化、武道の精神というものを見直し、世界に示すチャンスとなる」という玉木氏の言葉で講演は締めくくられました。

○空手

空手のクリニックでは、ストレッチ等のウォーミングアップ、正拳突きをはじめとした基礎練習から山田氏の細かく丁寧な指導がおこなわれました。技術指導以外にも、声の出し方や空手に対する心構えなど、大切なことを数多くご指導いただきました。基礎指導の後には組手の指導に入り、二人一組での実戦形式の練習や高校生・大学生らによる模範試合などもおこなわれ、子どもたちは充実した表情で練習を終えていました。

○剣道

剣道のクリニックでは、実戦を意識した、いつもとは少し異なる練習が多くおこなわれました。前後左右へのステップの練習や、打ち損なった際に、すぐにもう一本打ちに行く練習など、どれも次の試合からすぐに活かせそうなものであり、子どもたちは真剣な眼差しで取り組んでいました。指導の最後には木和田氏によるパフォーマンスが披露され、その太刀筋の速さに子どもたちからは大きな歓声があがりました。

○柔道

柔道のクリニックでは、ウォーミングアップを済ませた後、早速二人一組でペアを組み実戦的な練習に移りました。恵本氏のお手本を参考に、小内刈りや大外刈りなどたくさんの技を練習しました。技ごとに仕掛けるタイミングや足さばきを細かくご指導頂き、恵本氏と同じ動きができるよう子どもたちは何度も繰り返し練習に励んでいました。最後には実戦形式の乱取りをおこない、試合形式の中で楽しみつつも学んだことを生かそうとする子どもたちの姿が見られました。

閉会式

閉会式では、アスリートの方々からそれぞれご挨拶がありました。恵本氏から「自分の夢に日付を設けて、一歩ずつ頑張って欲しい」、木和田氏から「未来を担う若い人たちの力で石巻を盛り上げてもらいたい」、山田氏から「今日のようなイベントを機会に、2020年東京オリンピックに出場する子が出てきて欲しい」と、それぞれ子どもたちへのメッセージを頂きました。最後には参加者全員で写真撮影をおこない、今年度の武道フェスティバルは閉会しました。

アスリートコメント

恵本裕子(アトランタオリンピック柔道女子61kg級金メダリスト)
私は高校生から柔道を始めたので小さいころから武道をしているわけではなかったので、今回私が思っていたよりも多くの子どもたちが武道をしていて驚きました。子どもたちにはたとえ結果がついて来なくても、夢を持って、その夢に向かって努力している時間を楽しみながら競技人生を送ってもらいたいです。

木和田大起(2009年・2012年世界剣道選手権団体優勝、2012年全日本剣道選手権優勝)
子どもたちと接することにより子どもたちの「知りたい」という純粋な姿勢に驚かされました。私も田舎出身ですが「田舎だから」という気持ちではなく小さいころから「自分が田舎からチャンピオンになるんだ!」というような目標をもってこれからも頑張ってもらいたいと思います。

山田ゆかり(1982年世界空手道選手権、組手個人60kg級金メダリスト)
第一回の武道フェスティバルに参加した時もそうだったのですが、元気を与えるつもりが私が子どもたちから元気をもらうことができました。2020年の東京オリンピックの種目に空手が入るチャンスが大きくなってきたので子どもたちにはオリンピックに出ることを目標に頑張ってもらいたいと思います。

参加者コメント

中学2年 女子
恵本さんの技のかけ方はとても綺麗で、私も先生のような柔道ができるように頑張ろうと思いました。

中学2年 男子
木和田さんは竹刀を振るスピードがすごく速くて、僕たちとは全然違いました。先生のような剣士になりたいです。

中学3年 女子
山田さんの指導はとてもわかりやすくて、今後の練習や試合に活かしたいことがたくさん学べました。

20代 男性
競技レベルのすごく高い方と接することができる、大変貴重な機会でした。今日は基本的なところを重点的に教えていただきました。今後も今日教わったことを大切にしたいです。