事業報告

エコノミークラス症候群対策事業 「歩く人。」ウォーキング教室、健康運動指導者研修会

プロジェクト
パワーアップ・ジャパンfrom Tokyo 平成27年度
イベント名称
エコノミークラス症候群対策事業 「歩く人。」ウォーキング教室、健康運動指導者研修会
開催日
2015年11月18日(水)、19日(木)

11月18日(水)・19日(木)、宮城県山元町体育文化センターにて「パワーアップジャパン from Tokyo エコノミークラス症候群対策事業」、 「歩く人。」ウォーキング教室、健康運動指導者研修会が開催されました。仮設住宅の入居者等を対象として、一般社団法人OVAL HEART JAPANの「歩く人。」プログラムがおこなわれました。 最初に、主催者である東京都オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部事業推進課の今野聡子氏から挨拶がありました。次いで講師の紹介がされました。講師には一般社団法人OVAL HEART JAPAN代表の大西一平氏、ダイナミックスポーツ医学研究所副所長の土井龍雄氏、大阪産業大学スポーツ健康科学部教授の佐藤真治氏の3名をお招きしました。医学的な視点をから、運動不足による弊害や、歩くことの重要性について約2時間の講習がおこなわれました。講師3名の掛け合いに会場から大きな笑い声が響き渡るなど、ウォーキング教室は盛り上がりました。

○ウォーキング教室

外は生憎の雨模様の中、多くの参加者が山元町体育文化センターに集まりました。ウォーキング教室の開始前に参加者は、歩く際の加速度を測定する機械を腰に巻いて歩行のテストを実施しました。このテストは、歩行運動の際に身体へかかる負担を加速度から測定し、対象者に適した歩行かどうかを100点満点で判定するものです。測定が終わり、戻ってくる時に、小走りで戻ってくる方が多くおり、講師の先生も「元気な町」だと驚きを隠せない様子でした。参加者全員の歩行テストが終了すると、ウォーキング教室が始まりました。 まずは大西氏より、自己紹介と一般社団法人OVAL HERAT JAPAN、そして「歩く人。」プログラムの説明がありました。大西氏は、現役時代に経験した阪神淡路大震災が団体設立の大きな理由だと語りました。次いで、土井氏、佐藤氏の自己紹介がされました。土井氏は整形外科的観点から、佐藤氏は内科的な観点から本プログラムの指導をおこなっていくことを話し、プログラムは始まりました。運動不足による身体への影響について説明があり、さらに「歩行寿命」をいかに伸ばすかが大切だと話しがありました。病気を防ぐためには運動することが最も効果的であるということから、歩くことの運動効果について佐藤氏、土井氏から科学的な根拠に基づいた説明がなされました。佐藤氏から高齢となっても継続的なトレーニングをしっかりと実施すれば効果はあり、歩行寿命を伸ばす要因となることが伝えられました。また、継続的に歩き続けるためには、筋肉の量と質が重要であることが伝えられました。

下半身の筋力低下は転倒につながり、結果的に寝たきりの状況を招きかねないとして、筋力トレーニングの必要性があると話がありました。土井氏から、痛みがある時にはトレーニングをしてはいけないという話しがあり、体重をかけないで実施できるトレーニングの説明がありました。どこでも簡単に場所を選ばずにできるトレーニングを学んだ参加者は、隙間時間をトレーニングに充てたいと意気込んでいました。最後に動画が流れ、「歩く人。体操」がおこなわれました。大きな声で数を数える参加者の声が体育館に響き渡りました。

○健康運動指導者会

2日目は、健康指導に携わっている方々を対象に健康運動指導者会が開かれました。指導者向けの講習会となったため、ウォーキング教室でおこなわれた「歩く人。」プログラムの内容の詳細、指導の際の注意点が主となりました。 14名の参加者に対して、大西氏はこの講習会の目的を「歩く人。」プログラムのリーダー養成としておこなうと話しました。さらに、指導する際に受講生に、筋力トレーニングやストレッチの際に数を数えるといった声を出させることの重要性を述べ、歩くことによる生活習慣病予防のメカニズムについてお話がありました。佐藤氏も、「この講習会に参加している皆さんが地域のリーダーとして運動実施者を増やしてくれることを期待している」と話されました。続けて、「太っていることより、運動不足の方が危険」だと参加者に伝えられると、参加者は驚きの表情を見せ、気を引き締めて講師の話しに耳を傾けていました。また、最近の研究において改めて喫煙が体に悪影響を及ぼすことが証明されたと説明がありました。土井氏は、人それぞれに合った適切な運動指導の大切さについて述べました。 さらに、指導の際の注意するべきポイントが細かく説明されました。特に、高齢者を対象とする際は決して無理をさせないことが重要であると伝えました。大腿部の表と裏を鍛えることが歩行寿命を高めるには必要不可欠で、座ってできるトレーニングなどを紹介しました。

アスリートコメント

大西一平(一般社団法人 OVAL HEART JAPAN 代表)
積極的に行動しなければいけないということを皆理解していると思う。その行動するきっかけに今日の機会を生かしていって欲しい。

土井龍雄(ダイナミックスポーツ医学研究所副所長)
リーダー育成という新たな目的に向かってプログラムを始めました。被災で苦しんでいる地域が前向きに運動を実施し、活性化していく姿を期待しています。この町の人はリーダーの資質があると感じました。山元町は歩行寿命が伸びると思います。

佐藤真治(大阪産業大学スポーツ健康科学部教授)
皆さんが本当に元気なことにびっくりした。この町はこれからもっと元気になっていくと率直に思います。運動する女性が明るく町を引張って欲しい。閉会式でも言ったが、自分の住んでいる町をよくしたいという思いから、人はお節介をします。お節介をどんどんして、運動に町中の人々を巻き込んでもらいたい。

参加者コメント

60代 男性
講師の方々のお話が面白くて、運動もやる気になった。本当に来て良かった。

70代 女性
隙間時間にどんどんやっていきたい。