事業報告

いわて大運動会 in 鵜住居・釜石 Part2 トップアスリートによる中学生ラグビークリニック

プロジェクト
令和2年度 パワーアップ・ジャパン from Tokyo
イベント名称
いわて大運動会 in 鵜住居・釜石 Part2 ~トップアスリートによる中学生ラグビークリニック~
開催日
2020年10月11日(日)

前日の県内高校生を対象に行われた「いわて大運動会in鵜住居・釜石Part1」に続き、主に県内中学生を対象にした「いわて大運動会in鵜住居・釜石Part2」を開催しました。本事業でも、釜石シーウェイブスRFCの選手・スタッフの皆様を講師に迎え、釜石鵜住居復興スタジアムにおいてラグビークリニックを実施する予定でしたが、前日から雨が降り続いたことに伴い、会場は前日と同じくスタジアム横の釜石市民体育館での実施となりました。
開会式では、コロナ禍の実施ということで主催者が会場に出向けなかったため、会場と都庁をオンラインで繋ぎ、スクリーンを通しての主催者挨拶及び参加者との交流を行いました。
参加者はアスリートの丁寧な指導に耳を傾け、真剣な表情でクリニックに臨んでいました。クリニック終了後には、本事業とは別に釜石鵜住居復興スタジアムで実施された、岩手県選抜チームと地域選抜チームの記念試合(主催:一般社団法人岩手県ラグビーフットボール協会)の試合観戦を行うとともに、東日本大震災からの復興を目指して整備され、昨年度ラグビーワールドカップが開催された釜石鵜住居復興スタジアム内の施設見学を行いました。震災の記憶と防災の知恵が詰まったスタジアムの構造等に参加者は驚き、感嘆の声をあげるなど、非常に有意義なものとなりました。
また、前日と同じく、復興五輪を掲げている本事業においては、会場にオリ・パラののぼりを設置するなど、東京2020大会の気運醸成を図りました。

○ラグビークリニック

2日目のクリニックでは、参加者を3つのグループに分け、密にならないよう、エリアを区切ってローテーションをしながらそれぞれ担当のアスリートの下でメニューをこなしました。限られた時間の中で、パス回しの練習や、ストロングポジションの取り方、ラック成立時の動き方など、多くの技術的指導が詰め込まれた内容となりました。
パス回しの練習では、「パスをもらうときは走りながらもらうこと」「強いパスである必要は無く、やわらかいパスを浮かす感じで」などと具体的なアドバイスでの技術指導が行われたほか、ストロングポジションの取り方においては怪我につながりやすい注意点や意識して締める体の部位についての指導もあり、トレーナーの励ましの声が飛び交うとともに、活気のある雰囲気の中でトレーニングが行われました。参加者同士でアドバイスをしあったり、トレーナーの「いいね、いいね!うまい!」といった声がけに笑顔を見せながら、一生懸命に取り組んでいました。
最後の講評では、「人の話をしっかり聞いて、しっかり実践に移すこと、普段の練習からプレッシャーのかけ方が大事」と心構えを説く言葉をいただき、クリニックは終了となりました。

〈参考〉
新型コロナウイルス感染症対策等で工夫した点
 ●バス移動において、定員の半数の乗車制限
 ●プレー時以外はマスクの着用
 ●受付時の検温及び参加確認シートの記入
 ●1階フロアが飲食禁止のため、2階観客席の利用許可をいただき、各自座席間隔を開けながら密を回避
 ●消毒液等の設置
 ●待機中の三密回避のアナウンス
 ●スタジアムでは、PUJ専用エリアにて観戦。密を避けた椅子の配置
 ●ロッカーやシャワー室の使用はしない
 ●当日試合に出場しなかった選手・スタッフに指導を依頼
 ●当日のオンラインによる主催者挨拶


アスリートコメント

須田康夫(釜石シーウェイブスRFC FWコーチ)

Q本日の感想を教えてください
A中学生というカテゴリーでのラグビークリニックは少ないので、自分たちがやっていることとかラグビーの知識とかを少しでも深めてもらえたら良いなという思いで参加しました。自分たちとしても貴重な経験だったなと思います。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A被災地とともに歩んできたチームなので、ラグビーをもっと楽しんでもらえるように自分たちは力を尽くすだけだと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
A中学生は、常設ラグビー部や特設ラグビー部があると思います。3年間という短い期間ですが、高校でもラグビーを続けていけるように、自分自身で楽しみを見つけて、どんどんラグビーを好きになってもらいたいです。大会も近いと思うので、思いきりチャレンジしてほしいなと思っています。また、中学生も頑張っていることですし、この地域のラグビー人口をもっと増やして皆で楽しんでもらえたらなと心から思っています。

鈴木健太(釜石シーウェイブスRFC S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチ)

Q本日の感想を教えてください
Aラグビーを今までやってきた子、やってきていない子、いろいろな競技から集まってきた子たちがいる中で、それぞれ教えた内容に対して帰ってくる反応の違いが見ていておもしろいというのがありましたし、自分が指導する中で気をつけないといけないことを改めて感じさせられる部分がありました。
Q今後の被災地に対する活動のお考えをお聞かせください
A今ラグビーに携わっていて、スポーツを通してみんなを元気にするというのは一つのミッションだと思っています。自分は直接ラグビーのコーチをしているわけではないですが、選手を強くすることでそれが選手・チームの勝利につながれば、被災地に元気を届けられることにつながると考えています。そういう携わり方を今後もできていければいいなと思っています。
Q参加者の皆さんならびに被災地の方々へのメッセージをお願いします
Aスポーツというのは僕自身とても好きで、素晴らしいものだと感じていますし、他の活動にはない、スポーツじゃないと与えられない元気があると思っています。今後もラグビー、シーウェイブスの試合が釜石で開催されるときはぜひ会場に足を運んでいただいて、自分たちも元気を与えられればいいなと思いますし、お互いに頑張っていけたらいいなと思います。

参加者コメント

中学3年 女子
他のチームの人と一緒に練習して、コミュニケーションの大切さや、いつもは学ぶことができない細かいところなどを学ぶことができました。特に、パスするときは素早く渡すために視野を広くすることが大事だなと思いました。

中学3年 男子
今まで自分の学校でやってこなかったことなどをシーウェイブスの選手に教えてもらって、もうひと段階ステップアップできたと思います。

中学2年 男子
思ったよりもメニューがきつかったのですが、ストレッチとか体感トレーニングがすごく自分の身になる練習ばかりだったので、これから家でもどんどん練習して自分のものにしていきたいと思いました。ストレッチとか体幹トレーニングとかは、自分は身体が硬くてできなかったのですが、考えてみれば、一番それがやっていく中で身につけば戦力になるなとか怪我をしなくなるなとか思ったので、出来るように家でも毎日取り組んでいきたいです。

中学3年 男子
プロの方と接することができて楽しかったです。いろいろな技術を学べたので、今日学んだことを今後に生かしていきたいと思いました。

中学2年 男子
普通の練習と違って本当のプロの人たちに教えてもらえたので、今日のことを大会に生かしていきたいと思います。

中学2年 男子
普段の練習とは違ってプロの人たちに教えてもらうので、緊張感もあったけど、優しくて教え方もすごくて、試合でも生かしていけそうなことがたくさんあったのでいい経験になりました。

中学1年 男子
このイベントに参加してみて、毎日部活をやっている中で私たちが普通にやっていることとは違うことをプロの方から学べました。次に生かして、自分のものにできるようにしていきたいです。

中学1年 男子
イベントに参加して、パス練とかオーバーとか私たちが前からやっていたことですが、それをもっとレベルアップさせて、今日教えてもらったことを生かして頑張っていきます。

試合観戦後の感想

中学2年 男子
岩手の選抜の人たちがみんな強くて、タックルの音とか私たちでは出せない音だったので、うまいなあと思いました。

中学3年 男子
今日は秋田と岩手選抜の試合を見て、やっぱりすごく迫力があってすごいなあと思いました。僕たちも中総体3連覇がかかっているんでそれを見習って熱い試合をできるように頑張りたいと思いました。

中学2年 男子
今日の試合を見て、岩手スクール選抜のようにもっと強くなって全国大会に行けるように頑張りたいと思いました。あと、グラウンドについての説明を聞いて、芝生の構造が日本有数と聞いたとき、釜石ってすごいんだなと初めて思って、改めて感心しました。

中学2年 男子
今日試合をしていた岩手のチームも秋田のチームも自分の学校より強かったし、コンタクトの強さとかジャッカルを何回も決めているところは見習いたいと思いました。それに、釜石が津波にやられて、それでもここまでラグビーで頑張ってきたのはすごいと思うし、このグラウンドを考えることも頑張っただろうしすごいなと思いました。